returns to
エルミタージュ秋葉原
 「エルミタ的速攻撮って出しレビュー」
 Home > エルミタ的速攻撮って出しレビューVol.22 「Fortress SST-FT02B-W」徹底レビュー
the Voices 秋葉原Shop生の声
the Price アキバShopプライス画像掲示板
Special Price アキバShop特価品情報
PC Calender エルミタージュ的ロードマップ
Press Room リリース・トピックス・情報
Database エルミタージュ的データベース
Shop List 秋葉原Shopリスト
Akihabara Map 秋葉原Shop地図
Manufacturer List PCパーツメーカーリスト
Paet-time Job PC業界リクルート情報
Research 店員に聞く
携帯版エルミタージュ秋葉原
広告掲載について
情報・リリース窓口
About Us エルミタージュ秋葉原
 
title

SilverStone「Fortress SST-FT02B-W」徹底レビュー

2009年12月26日 G&D matrix 松枝 清顕
 第22回を数える2009年最後を飾る「エルミタ的速攻撮って出しレビュー」は、第20回で取り上げて好評だったSilverStoner社「RAVEN 2」(型番:SST-RV02B-W)のバリエーションモデル的存在で、外装をアルミニウムで武装した最新モデル「Fortressシリーズ SST-FT02B-W」(以下:Fortress SST-FT02)を取り上げる。
エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.20「SilverStone「RAVEN 2」 SST-RV02B-W 徹底チェック」はこちら

 通常のATXデスクトップケースと違い、マザーボードを90度回転させたレイアウトを採用するこのモデルは、ほぼ類似した内部構成ながら敢えて「RAVEN」の名前を持たず、“要塞”を意味する「Fortress」シリーズとしてリリースされた。

 正直なところ、前々回の「RAVEN 2」で内部構造やそれにまつわるギミックはほぼ全て紹介しきってしまったため、ブロスモデルを取り上げる事には少々不安もあった。隅々までチェックした結果「はい、同じでした」では立場上済まされない。しかしながら、外装パネルの素材が違うだけで(そもそもデザインは全く違うわけだが)、これほどまでに雰囲気が変わるものかという第一印象と、全体の引き締まったパッケージングの良さは、「RAVEN 2」とは違う趣を十分に感じる事ができる。
 多少の不安と新型モデルを手にした期待のいずれをも抱きつつ、例によってエルミタ的に徹底解剖してみることにしよう。

 SilverStone「Fortress」(SST-FT02B-W
Fortress Form:SSI CEB/ATX(最大12"×11")/MicroATX
素材:4.5mmアルミニウム一体成型フレーム/ボディ0.8mmSECC
ファン
 :トップ120mm排気×1(1200rpm/19dBA)
 :ボトム180mm吸気×3(700/1000rpm、18/27dBA)
ベイ
 :5インチベイ×5
 :3.5インチシャドウベイ×5
 :2.5インチシャドウベイ×1
拡張スロット:7
電源:無し
I/Oポート:USB2.0×2/音声入出力
サイズ:W212×H497×D616mm
重量:15kg
実勢価格29,000円前後(2009年12月末現在)


「RAVEN 2」とは似て非なる。編集部に「Fortress」がやってきた

 「Fortress SST-FT02」エクステリアおよびディテールをチェックする前に、このモデルの特徴を簡単にご紹介しよう。その場合、どうしても「RAVEN 2」を引き合いに出さなければならないが、直接比較はここまでにしたい。それについては説明するまでもなく、順を追ってこのモデルの特徴を見てゆけば自ずとその理由がお分かり頂けると思う。
  なお以下表では「RAVEN 2」のスペック比較を行っているが、併せて「Fortress」シリーズのバリエーションモデルもご紹介しよう。


  Fortress
SST-FT02B-W
RAVEN 2
SST-RV02B-W
対応M/B SSI CEB/ATX/MicroATX E-ATX/ATX/MicroATX
サイズ 212mm 212mm
高さ 497mm 503mm
奥行き 616mm 643mm
重量 15kg 12.5kg
ドライブベイ 5.25" 5 8
3.5"シャドウ 5 3
2.5"シャドウ 1 1
拡張スロット 7 7
電源 ATX(Option) ATX(Option)
ファン トップ トップ120mm排気×1
(1200rpm/19dBA)
トップ120mm排気×1
(950rpm/18dBA)
ボトム ボトム180mm吸気×3
(700/1000rpm、18/27dBA)
ボトム180mm吸気×3
(700/1000rpm、18/27dBA)

■Fortressシリーズバリエーションモデル
Fortress SST-FT02B Fortress SST-FT02S
「Fortress SST-FT02B」 「Fortress SST-FT02S」
SilverStone国内正規代理店のマスタードシード株式会社が取り扱う「Fortress」シリーズは、今回の主役となる側面窓付きブラックの他、側面窓ナシのブラックおよびシルバーの合計3モデルから選ぶことができる


 「Fortress SST-FT02」は「RAVEN 2」に比べ、高さおよび奥行きが若干短い事が分かる。確かに箱からケースを取り出してみた第一印象でも“ちょっと小振りになったかな”と感じた。恐らくこれは、単なる外形寸法の数字上だけではなく、「RAVEN 2」のモビルスーツ的フロントフェイスデザインの押し出しの強さがより一層その印象を色濃くしているだろう。逆に「Fortress FT02」は、非常にあっさりとしたフロントデザインが採用されているため、スペック以上に小振りに見える。

  その割には「RAVEN 2」よりも重量が2.5kgヘビーになった。当然の事ながら外装パネルのマテリアルに起因するところが大きく、重厚感のある一体成型の4.5mm厚アルミニウムが採用されている事が最大の理由だろう。

  その他、ドライブベイ数にも違いがあり、ここは使い勝手および使用用途により好みの分かれるところだが、個人的には「Fortress SST-FT02」のベイレイアウトのほどよさに魅力を感じてしまう。やはり3.5インチシャドウベイと、“なんとか”はいくらあっても困らないというスタンスのユーザーには最適なレイアウトではないだろうか。

 ちなみに5.25インチオープンベイの最上段部は、延長線上に拡張スロット部があるため、奥行きの短いドライブベイアイテム等の搭載が推奨されている。ただし、ショートタイプの光学ドライブであれば搭載できる可能性があるので、装着前に仮合わせしてみる事をお薦めする。



SilverStone「DNA」は脈々と受け継がれている

 
「Fortress SST-FT02」最大の特徴はなんと言っても、4.5mm厚のアルミニウムを使用した一体成型フレーム構造だ。今更ながら、この型番からも推し量れるように、「Fortress FT02」は「Fortressシリーズ」第2弾の位置付けとなる。

 「Fortress」シリーズの第1弾「SST-FT01」が登場したのは2008年11月。非常にシンプルなデザインから強烈なインパクトは無いものの、後述する正圧設計と一体成型構造は共通する。さらに遡ると、SilverStoneのアッパークラス帯としてリリースされた「TEMJIN」シリーズ「SST-TJ07」(2006年1月発売)というモデルがあるが、大きな特徴としてトップパネルからフロントパネル、そして底面パネルまで“コの字”に一体成型がなされている事が分かる。

  このように既存ラインナップを紐解くことで、「RAVEN」シリーズ、「Fortress SST-F01」、「TEMJIN SST-TJ07」の3モデルそれぞれの特色を集約させたものが「Fortress SST-FT02」となっている事がわかる。言い換えるとSilverStoneの技術が詰まった内容の濃いケースであり、SilverStoneのケースエンジニアが出した現時点での理想形=答えがここにあるわけだ。

SST-FT01 SST-TJ07
Fortress「SST-FT01」の内部構造。一体成型は「SST-TJ07」譲りだが、「RAVEN」シリーズのDNAはあまり感じられない TEMJIN「SST-TJ07」シリーズは“コの字”型の元祖一体成型を採用したモデル。サイドパネルとの合わせに苦労したという開発秘話も



アルミニウム製一体成型PCケースの利点

 
Fortress SST-FT02」は、「TEMJIN SST-TJ07」や「Fortress SST-FT01」と同じくフレームに一体成型が採用されている。フロントパネル、ボトム部、リアパネルが“Uの字”構造となり、SilverStone独特なデザインが冴えるひとつの重要な要素だ。
  ここでは“一体成型”の利点とはなにかを考えてたい。ただしここに挙げた長所は一般的に言われているもので、個別に説明をしなければ少々誤解を招くかもしれない。

【一般的な一体成型による利点】

(1)加工行程が少なく、その分ローコスト化が図れる
(2)複雑な図面設計が不要
(3)表面の仕上がりの美しさ
(4)仕上げ加工の手間を削減できる
(5)デザインが自由自在にできる
(6)曲面が再現できる
(7)部品点数が削減できる
(8)つなぎ目がない

 これら一体成型の長所を「Fortress SST-FT02」に照らし合わせて行くと、必ずしもPCケースでは合致しない所もある。例えば(1)で挙げたローコスト化については、数年単位で同一の構成部品を継続的大量製造する場合に言えることで、PCケースの場合同一デザインで数年単位の“市場製品寿命”がある事は稀で、ローコスト化できるほどの大量生産品には属さない。(通常の部品構成よりも却って高額になる)

 さてそれ以外を見て行くと、(2)「複雑な図面設計が不要に」ついては(7)「部品点数が削減できる」にリンクする。つまり、当然の事ながら一体にする事で、通常複数からなる構成部品点数をひとつにする事ができるメリットは大きい。また(8)「つなぎ目がない」ために、ビビリ音問題が解消でき、さらには(6)「曲面が再現できる」事で、「Fortress SST-FT02」のように(5)「デザインが自由自在」に加工する事ができるという訳だ。(3)「表面の仕上がりの美しさ」および「仕上げの加工の手間を削減できる」利点もありつつ、工作精度が良くなければ、サイドパネルのラインとカーブが合わず、個体差が出てしまう事が懸念されるという。
 なお「Fortress SST-FT02」では、4.5mm厚アルミニウムが採用されているのは、デザイン性の観点からの高級感の演出だけでなく、強度を求めた結果でもある。実際にこのモデルはなんの不安も感じさせない高剛性が実現されており、他モデルを寄せ付けない圧倒的な安心感を得ることができる。


Fortress Fortress
一体成型がよくわかるのはボトムの曲線部分だ。“Uの字”で作られた外装部は角が丸くデザイン性にも富んだ独特な全体イメージを創り出す


次はいよいよ「Fortress SST-FT02」の細部を見て行くことにしよう。見所がたくさんあり、非常によく考えられているケースであることが分かるはずだ。
 
toppage
NextPage

 
ADマスタードシード
ADマスタードシード
 
menu
menu1(1) Fortress SST-FT02B-Wイントロダクション/アルミニウム製一体成型PCケースの利点
Menu2(2) エクステリア、内部ディテールチェック
Menu3(3) エアフローレイアウト/もうひとつのキーワード。正圧とはなにか
Menu4(4) レコメンド電源ユニット「SST-ST1000-P」とは - TEXT by Jo_kubota -
Menu5(5) 自作セメント抵抗負荷装置を使った「SST-ST1000-P」テスト
Menu6(6) 実際に組み込んでみた/組み込み易さと組み替え易さはトップクラス
Menu7(7) 開発メンバー・Silver Stone Ben氏に聞く「SST-ST1000-P」
Menu8(8) 総評「Fortress SST-FT02B-W」と共に過ごして思うこと
 
マスタードシード株式会社

 
GDM Copyright(c)1997-2012 GDM Corporation All rights reserved 掲載記事の無断転載を禁じます