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 Home > エルミタ的速攻撮って出しレビューVol.22 「Fortress SST-FT02B-W」徹底レビュー
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自作テスト機材「セメント抵抗」を使ってテストを試みる


SST-ST1000-P
Jo_kubota謹製、「自作セメント抵抗負荷装置」久々の復活

編集部注:ご存知のない方のために、まずはJo_kubotaお手製のセメント抵抗器について説明しよう。2009年春に行った電源ユニットレビューにおいて、自ら発案し、自作してしまったオリジナルの“負荷テスト装置”は、安価に電力だけ一定に消費させる方法を目的としたもので、高負荷を再現するために従来テストに用いるパーツ類をセメント抵抗に置き換える事で、ハイエンドグラフィックスカードを多搭載したような状況を擬似的に創り出すことができる。以下再掲となるが、その構成部品は次の通りだ。
自作セメント抵抗負荷装置 自作セメント抵抗負荷装置
これがJo_kubota氏自作のセメント抵抗負荷装置。電気工作を得意とする氏だけあって、緻密な工作物に仕上げられた。画像右はメインとなる200Wのセメント抵抗。これを直列または並列に繋ぎかえる事で、ある程度の範囲内で強制的に電力を一定に消費する事を可能とした
自作セメント抵抗負荷装置 自作セメント抵抗負荷装置
画像左は、セメント抵抗を4ブロックに分け、各ブロックをケーブルで接続するための自作ターミナル。着脱が用意という理由からバナナコネクタとワニクリップを使用。そして画像右が最大50Aまで計測可能なLCD付き測定器
 

 では、早速テストに移ろう。用意したテストPCは以下のとおり。比較に用意した電源ユニットはMACRON POWERのPSH700S-Dという比較的安価な700W電源ユニットだ。

テストPC構成
CPU Core2 Quad Q9550(2.83GHz)
M/B ASUSTeK Rampage Formula(Intel X48 Express)
VGA ASUSTeK EN9800GT MATRIX(GeForce 9800 GT)
Memory PC2-6400 DDR2 SDRAM 2GB×2
HDD Western Digtal WD740GD(10,000rpm/74GB/SerialATA)
DVD GGW-H20N
OS Windows 7 Ultimate 64bit
P/S MACRON PSH700S-D(700W)

 テストは、OS起動後10分放置したアイドル状態、そして負荷として、OCCTを使ってCPU負荷およびGPU負荷をかけた状態の消費電力をワットチェッカーで測定した。
 さらにOSがアイドル状態にて、自作の抵抗器を繋ぎ、順に7A、12A、16A、25A、28A、33Aの負荷をかけ、このときの消費電力を測定している。またOCCTにてGPU負荷をかけた状態にし、この状態に抵抗器で28Aまたは33Aの負荷を掛ける。この状態を2分間維持した時点でテスト終了としている。このシステムでは、33Aの抵抗を接続した時点で396Wの追加負荷かけることができる。



■テスト結果/システム全体の消費電力

 では、順番に負荷をかけて、電源ユニットごとの消費電力の差を見ていこう。
 ST1000-Pは、全体を通してPSH700S-Dよりも消費電力が低いことが見てとれる。その差は消費電力が増えるにつれ顕著となり、ST1000-Pが80PLUS SILVERを取得していることが、伊達ではないことが分かる。

グラフ1
  PSH700S-D SST-ST1000-P
OSアイドル 125W 121W
OCCT CPU(Infinite) 175W 174W
OCCT GPU(Infinite) 226W 225W
アイドル+7A 221W 220W
アイドル+12A 279W 272W
アイドル+16A 325W 316W
アイドル+25A 477W 460W
アイドル+28A 532W 499W
アイドル+33A 719W 585W
OCCT GPU+28A 641W 611W
OCCT GPU+33A 722W 685W


■実際の効率はどのくらい?

 以前行ったテスト同様に、ST1000-Pの効率を計算してみよう。まず、OCCTのGPUテストを行った時の消費電力は、

ST1000-P:225W
PSH700S-D:226W

  である。次にOCCTのGPUテストに33Aの抵抗器を接続した時の消費電力は、

ST1000-P:685W
PSH700S-D:719W

 この差を求めると、

ST1000-P:460W
PSH700S-D:493W

 となり、抵抗器が消費している電力が分かる。実際に抵抗器の消費電力は、電圧降下などの影響で12V×33Aというキレイな式には収まらないが、接続している負荷は同一であり、抵抗器の消費電力が396Wと仮定すれば、各電源の効率は以下のようになる。

ST1000-P:396÷460 = 86%
PSH700S-D:396÷493 = 80%

  ST1000-Pが認証を受けている80PLUS SILVERは85%以上の効率を実現する必要があるが、本製品は、見事にクリアしている、というわけだ。
  同じように、アイドル時の状態で各負荷を追加した際の効率を求めたのが、次のグラフだ。ST1000-Pは、見事にどの負荷でも85%を超えており、かなり効率の高い電源ユニットであることが分かる。

グラフ2
  PSH700S-D SST-ST1000-P
7A 87.5% 84.8%
12A 93.5% 95.4%
16A 96.0A 96.5A
25A 85.2% 88.5%
28A 82.6% 88.9%
33A 66.7% 85.3%


■1000Wなのに安価で効率の高い電源ユニット

 最後に主観となるが、ST1000-Pの騒音レベルは、このクラスの電源ユニットとしては、ごく普通に静かだ。もっとも今の時期は気温が低いせいもあるが、他の電源ユニットと比べて遜色のない静音性は確保されている。

 そしてST1000-Pの一番の特徴は何と言っても、価格だろう。1000Wで実勢価格最安値で2万4000円、高くても2万8000円で購入できる電源ユニットは、そう多くない。効率の面でも80PLUS SILVERのマークがあることの安心感は高く、テストでも上々の結果を残したST1000-Pは、非常に買い得感が高い製品だ。
  また負荷テストに関しては、代理店であるマスタードシードのWebサイトにて750Wモデルとなる「ST75F-P」の実験の様子が動画で公開されているので、一度見てみるといいだろう。

 
次は実際に組み込んだ状態の「SST-FT02B-W」をじっくり見ることにする。
 
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