エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1461
2024.10.01 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
ASUS「ROG STRIX X870-F GAMING WIFI」 市場想定売価税込79,980円(2024年9月30日発売) 製品情報(ASUS) |
本題に入る前に、まずはSocket AM5向け最新チップセットAMD X870E/X870について簡単におさらいをしておこう。AMD X670E/X670の後継に位置づけられる製品で、最大の特徴はこれまでオプションだった帯域幅40GbpsのUSB4が標準装備へと変更されたこと。これにより、どのマザーボード選択してもNVMe M.2 SSDに匹敵する高速な外部ストレージが使用できる。
AMD 800シリーズには、今回解禁されたAMD X870E/X870の他に、AMD B850とAMD B840が登場する予定 |
またAMD X870では、AMD X870EやAMD X670Eと同じくグラフィックスカード向けのPCI Express(x16)スロットの接続方式がPCI Express 4.0からPCI Express 5.0へとアップグレードされた。今後対応グラフィックスカードが登場した場合、その能力を最大限に引き出すことができるわけだ。
AMD B650E/B650と同じシングルチップ構成のAMD X870。バスインターフェイスはグラフィックスカード用、NVMe M.2 SSD用ともPCI Express 5.0に対応する |
ただし、AMD X870ではチップセットの構成がデュアルからシングルに変更され、PCI Expressの総レーン数は44レーンから36レーンに削減。またUSBポートやSATAポートの数も半減しており、チップセットの規模的にはAMD B650Eに近い印象だ。一般的な運用で、インターフェイスやPCI Expressレーンが不足することはないだろうが、AI用途など複数枚のグラフィックスカードを搭載する場合や、大量のUSB機器を接続する可能性があるならAMD X870Eを搭載しているマザーボードを選択したほうがいいだろう。
そんなAMD X870チップセットを搭載するゲーミングマザーボードが今回の主役である「ROG STRIX X870-F GAMING WIFI」だ。ASUSのハイエンドゲーマー向け「ROG STRIX」シリーズの中でも定番の「F」型番に属する製品で、先代「ROG STRIX X670-F GAMING WIFI」から電源フェーズ数こそ16+2+2フェーズで変わらないものの、使用している「Smart Power Stage」(以降SPS)は90A SPSから現行最高クラスの110A SPSに変更された。
「ROG STRIX」シリーズに属するAMD X870E/X870チップセットマザーボードは計4モデルがラインナップ。なお国内では「ROG STRIX X870E-E GAMING WIFI」は取り扱いの予定がないということで、「ROG STRIX X870-F GAMING WIFI」が最上位モデルになる |
またUSB Type-Cポートは帯域幅20GbpsのUSB 3.2 Gen 2×2から、AMD X870チップセットの最大の特徴でもある帯域幅40GbpsのUSB4へ、無線LAN機能もWi-Fi 6Eから最大転送レート6.5GbpsのWi-Fi 7になるなど、インターフェイスも強化されている。
USB4やWi-Fi 7など、最新の高速インターフェイスを搭載 |
そして利便性に定評のあるグラフィックスカード着脱機構は、ボタンを押す「PCIe Slot Q-Release」から傾けるだけでラッチが外れる進化版の「PCIe Slot Q-Release Slim」に変更された。さらに簡単に着脱ができるWi-Fiアンテナ「Q-Antenna」や、ツールレスで取り外しができるM.2 SSDヒートシンク「M.2 Q-Release」、より簡単にM.2 SSDを固定できる「New M.2 Q-Latch」、複数サイズのM.2 SSDに対応する「M.2 Q-Slide」など、PCを組み立てる際に便利な機能が充実しているのも特徴だ。
ブラックとレッドのツートンカラーのパッケージ。前面には製品画像が大きくデザインされている |
製品にはSATAケーブル、ケーブルタイのほか、日本語のクイックスタートガイドやステッカーなどが付属する |
その他、有線LANはIntelチップによる2.5ギガビットLANで、オーディオ機能はRealtekのハイエンドオーディオコントローラ「ALC4080」をベースにした「ROG SupremeFX 7.1」を搭載。また全4基のM.2スロットにはいずれもヒートシンクを標準装備し、最上段のM.2スロットには発熱の多いPCI Express 5.0(x4)接続のM.2 SSDを想定した肉厚のヒートシンクを採用する。