「エルミタ的速攻撮って出しレビュー」
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エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.66 極めて柔軟な発想から生み出されたSilverStoneの秀作「Fortress SST-FT03」レビュー
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「SST-FT03」のファンレイアウト
どうやらただのデザインケースではない「SST-FT03」。2Slot占有タイプのハイエンドグラフィックスカードも搭載できる本格派とあって、エアフローレイアウトにも抜かりはない。とは言え、良い意味での“常識外れ”のデザインから、どのように
内部正圧状態
を保ち、
煙突効果
を謳うモデルに仕上げられているのだろうか。画像を見ながらその要となるファンレイアウトを中心に見て行こう。
・ケース本体を逆さまにして見たところ。一番大きな開口部は電源ユニットの吸気ファン用となるため、実質ここはスタンドアローン状態。底面から吸気できるのは右側に見える斜めに搭載された120mmファン1基のみ(80mmファン2基換装可能)
■トップエリアの120mm排気ファンと増設ファンブラケット
・内部の熱を一気に排出させるトップ部の120mm排気ファン。その役割は重要
・マニュアルでもなぜかあまり触れられていない拡張カード用の増設ファンブラケット
・ブラケットを外しオプションの80mmファンを装着してみたところ。ブラケットには傾斜が設けられており、真横からではなく斜めから拡張カード部に風を当てる事ができる。なお90mmファン搭載用ネジ穴も設けられているので、直線的により風量を増やす事ができる
■CPUクーラーの冷却を補助する「CPU FAN BRACKET」
・CPUクーラーに風を送る事ができるCPUエリアファンブラケット。標準で120mmファンが搭載されており、ネジは支柱2点と薄型光学ドライブベイ上部1点の計3本のネジで固定されている。なお角度調整などには対応していない
・CPUエリアファンブラケットを外してみたところ。側面には搭載イメージが刻印されており、メモリエリアへの冷却アシストも兼ねられている事が分かる
■ハイエンドVGAにも対応するGPU CARD FAN BRACKET
・ボトム部に搭載されるGPUベースファンブラケットにも120mmファンが標準で装備されている。底面に開けられた穴から吸気するタイプで、特に外排気タイプのハイエンドグラフィックスカードと組み合わせれば、カード吸気孔に外気を直接送り込むといった冷却アシストが期待できる
・ボトム部ベタ置きでその他のファンブラケット同様、傾斜が付けられているのは異形PCケース内部ならでは。側面の刻印にはGPU冷却用が謳われている
・デフォルトのGPUベースファンブラケットを外し、80mmファン2基に換装する事も可能。この場合グラフィックスカードは約350mmまでの長さに対応。通常の大型ATXケースを凌駕するスペースの確保は秀逸
・ボトム部のファンブラケットを解説した「Flexible cooling layout」。実際に搭載させないまでも、4枚挿しをも可能と大きくアピールされている
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標準搭載ファン型番とスペックを知る
「SST-FT03」の標準搭載ファンは全部で3基。いずれも120×120×25mm口径が採用されている。
スペックは共通で1200rpm/22dBA。なお型番は
「S1202512ELN-3M」
で、DC12V/0.18A。コネクタ形状はすべて3pinでパルス用ケーブル(黄色)も装備されており、マザーボード備え付けの対応コネクタに挿せば回転数の検出も可能だ。
・搭載ファンの型番は「S1202512ELN-3M」。SilverStoneロゴ入りのオリジナルラベルで、GLOBE FANの文字もプリントされている
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「SST-FT03」こそ「煙突効果」の本領が発揮されるのだ
煙突効果
ここまでファンレイアウトとその役割を個別にチェックしてきた。奥行きが短いだけに、ブラケット部は傾斜が付けられ工夫がなされ、各々の仕事を淡々とこなす。
さて「SST-FT03」の特徴を語るに忘れてはならないのが
“煙突効果”
だ。「RAVEN」や前作「SST-FT02」でも採用されるこの構造を簡単に説明しておこう。
“煙突構造”
とも呼ばれるが、これは外観上の形状を表す言い方なので、正確には“煙突効果”だ。ご存じのように熱は上昇する性質があり、PCケース内で発生するCPU、GPU、ドライブ等の駆動熱をファンのエアフローの助けを借りて、スムーズにトップ部から排出させてしまおうというもの。一般的に焼却炉や工場にある“煙突”は円柱や直角柱形状で、これを縦長にすることで熱対流の流れを調節しているわけだ。
「SST-FT03」は「RAVEN」や「SST-FT02」よりも筐体が小さく、縦長デザインにより“煙突形状”に近い。効果のほどは果たして分かりにくいものの、「SST-FT03」こそ“煙突効果”の実力が発揮されるデザインと言えるだろう。
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SilverStoneのお家芸、埃進入を防ぐ「正圧設計」
「SST-FT03」はその特徴的なデザインを採用しつつ、内部構造はSilverStoneが推し進める
「正圧」(Positive pressure)
状態が保たれている。このキーワードが一般的となったのはやはり初代
「RAVEN」
辺りからではないだろうか。(
「正圧」設計に関しては昨年末にお届けした
「Fortress SST-FT02B-W」
に詳しい
)
内圧を外部よりも高くすることでホコリの進入防止とスムーズな排気の流れが生み出されている。
・次は実際に組み込みを行い、「SST-FT03」の組み込み時において気がついた点などを個々に見てゆく
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・外形寸法 W235×H487×D284mm
・素材 外部アルミ(2.5mm厚)/本体スチール
・重量 6.7kg
・薄型光学ドライブベイ×1(スロットイン専用)
・3.5インチシャドウベイ×3
・2.5インチシャドウベイ×1
・拡張スロット×4
・電源 オプション
・対応 MicroATX
・ファン
トップ120mm(1200rpm/22dBA 80/92mmファン×1増設可能)
CPUエリア120mm×1(1200rpm/22dBA)
拡張カードエリア120mm×1(1200rpm/22dBA 80mmファン×2に換装可能)
・I/O USB3.0×2/音声入出力(HD Audio専用)
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代理店製品情報(SST-FT03B)
・
代理店製品情報(SST-FT03S)
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