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 Home > エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.77 SilverStone「RAVEN 3」 〜ルールを再定義〜
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大幅に変更されたドライブベイレイアウト

 ルールが“再定義”されたPCケース「RAVEN 3」。それを象徴する最大のポイントが、ドライブベイレイアウト。全段5.25インチベイスタイルを採用する「RAVEN 3」はシリーズ中、最も特徴的なレイアウトとなっている。スペックシート上、5.25インチ×7、3.5インチ×10(6台は5.25インチアダプタ使用)、2.5インチ×2となるその全てを紹介しよう。



5.25インチドライブベイ 〜改良されたツールフリー機構〜

 5.25インチドライブベイは全部で7段。「RAVEN 2」に比べ、高さが19mmサイズアップされているものの、ベイ数は8段から7段に減数されている。これは下部に電源ユニットスペースが新設された事によるものだ。ちなみに全段5.25インチベイ仕様は、光学ドライブやドライブベイアクセサリを複数台搭載できるというよりも、自由な場所にレイアウトできるという利点に特化されていると考えるべきものだ。

 なお5.25インチドライブベイはこのモデルで唯一、ツールフリーが採用されているが、「RAVEN 2」とは違ったロック機構に変更された。SilverStoneに限った事では無いが、なぜ同一メーカーでもモデルによって違うパーツが採用されるのだろう。「RAVEN 2」のロック機構は非常によくできていた印象だったが、残念ながら「RAVEN 3」ではそれを上回る事はできていない。願わくば、同一パーツを使って欲しかった。

RAVEN 3 RAVEN 3
「RAVEN 2」から変更されたツーフリー機構。リリースは側面のユニット中央部のツメを起こし、光学ドライブのネジ穴を合わせてロックする
RAVEN 3 RAVEN 3
固定自体に問題は無いが、「RAVEN 2」のロック機構の出来が良すぎたためか、ややチープな印象は拭えない
光学ドライブを装着してみた。フロントベゼルより少し凹んだ位置ながら、デザインを損なうことはない
RAVEN 3 RAVEN 3
側面のツメをリリースする事でフロントベゼルは着脱可能
「V字」デザインのフロントベゼル
RAVEN 3 RAVEN 3
実はこのベゼルは2ピース構造でできている。なぜこうなっているのかは後述
ベゼル裏側には防塵メッシュフィルタが装着されていた



マザーボードトレイ背面を有効利用した3.5インチシャドウベイ

 歴代「RAVENシリーズ」との大きな違いに、マザーボードトレイ背面部の有効利用が挙げられる。

 「RAVEN 3」では、マザーボードトレイ背面部に5つのHDDブラケットを装備し、最大3.5インチHDD×4基、2.5インチSSD/HDD×2基が搭載できる。「RAVEN 2」でも5.25インチベイ裏に2.5インチSSD/HDD搭載スペースが用意されていたが、ここまで多くのドライブが搭載できるようになったのは、大きな改良点と言えるだろう。
 さらに有効利用という観点だけでなく、そこから伸びるケーブル類が極力マザーボード搭載面に露出せずに組み込む事ができる。またHDDが搭載できるだけの幅があるため(約50mm)、より多くのケーブル類をマザーボードトレイ背面に追いやる事もできてしまう。隠れた部分とは言え、「RAVEN 3」最大のポイントとも言える、非常によく考えられたギミックだ。

RAVEN 3
「RAVEN 3」のドライブベイレイアウト。(1)〜(4)は3.5インチシャドウベイ、(5)〜(10)5.25インチベイと3.5インチシャドウベイ排他、そして下線付き(1)(2)は2.5インチシャドウベイという位置関係

■マザーボードトレイ裏面の3.5インチシャドウベイ部

RAVEN 3
3.5インチシャドウベイ(1)(2)は、フロント側、5.25インチベイ沿いにレイアウトされている
RAVEN 3 RAVEN 3
シャーシにネジ留めされた3.5インチブラケットもブラック塗装が施されている
3.5インチHDDは、専用のHDD固定用ネジを使用
RAVEN 3 RAVEN 3
ブラケットへの3.5インチHDD固定が完了すれば、あとはシャーシ側に固定し直す
RAVEN 3 RAVEN 3
コネクタ部すぐ横には、ケーブルを通す穴が用意されている。別途SATAケーブルにL字コネクタを使えば、ストレス無くケーブル取り回しが可能となる
ブラケットを外すと、5.25インチベイ用ネジ穴が確認できる。ツールフリー機構のみでは心許ない人は、ネジ留め補強が可能
RAVEN 3 RAVEN 3
(2)のブラケットは、支柱にささえられる形でネジ留めされていた
リア側上部の(3)。固定方法は共通
RAVEN 3 RAVEN 3
(4)はリア側下部にレイアウト
ブラケットネジ穴部は共通して防振ゴムブッシュが装着されている

■「RAVEN 3」について聞いてみた(その4)

 マザーボードトレイ背面に装備された5つのシャドウベイブラケット。そのうち、両側面の3.5インチHDDブラケットは、なぜか向きが互い違いになっている。これは意味があるのだろうか。

Q.マザーボードトレイ背面部3.5インチシャドウベイのブラケットが「コの字」「逆コの字」の互い違いになっているその理由は?


A.メーカー(SilverStone)からの回答

 3.5インチドライブベイの向きがそうなっているのは、電源ユニットのSATAケーブルのコネクタ間隔が物によっては非常に短いので、それに対応できるようにするためです。このレイアウトによって、上側の2つのハードディスクと、「下側」にある2つのハードディスクのコネクタ同士の間隔を短くすることが出来ます。

RAVEN 3
RAVEN 3
電源ケーブルSATAコネクタの間隔は意外に短い。これを考慮して3.5インチドライブベイの向きを敢えて「コの字」「逆コの字」互い違いにレイアウトされている



2.5インチSSD2台は「積み重ね搭載式」採用

 断るまでもなく、2.5インチシャドウベイは今や特筆すべきギミックでは無く、最新モデルになればなるほど、標準化されている。以後SSDの登場と普及の“進化の過程”がPCケースの歴史を振り返ることで、分かると言った事になるだろう。
 「RAVENシリーズ」について言えば、初代×0段、「RAVEN 2」「RAVEN 2 Evolution」共に×1段、そして「RAVEN 3」では×2段が装備され、正常進化を遂げている。
 今回のモデルでは、ストレージデバイス格納スペースの多くはマザーボードトレイ背面にレイアウトされているが、2.5インチシャドウベイは丁度メモリスロットの裏面あたりに位置する。
 2.5インチブラケットは1個で、SSDを2段重ねで搭載できるようになっており、マニュアルによるとSATAケーブルは左右交互に伸びるよう、インターフェイスを左右両極に搭載させる事が推奨されている。

RAVEN 3 RAVEN 3
2.5インチブラケットは丁度メモリスロット背面あたりに装着されている
RAVEN 3 RAVEN 3
2.5インチSSDは2段重ねで搭載可能。取り回しを考慮し、インターフェイスは左右交互に設置する事が推奨されている

■「RAVEN 3」について聞いてみた(その5)

 「RAVEN 3」のHDDブラケットはすべてネジ留め固定されている。複数のHDDが搭載可能なマザーボード背面スペースは、SilverStoneらしいアイデアだが、HDDを取り付ける作業は、ツールフリー機構に慣れてしまったユーザーには少々面倒に感じるかもしれない。その手順は(1)ネジ留めされたブラケットを外す→(2)ブラケットにHDDをネジで固定→(3)搭載位置に戻すというものだが、もう少し工夫はできなかったのだろうか。

Q.ブラケットはすべてネジを外さなければHDDを搭載できない。少々面倒だが他の方法は考えなかったのか?


A.メーカー(SilverStone)からの回答

 「RAVEN 3」は、ハードディスクの着脱のしやすさよりも、搭載数を可能な限り増やすよう設計されています。ツールフリー設計は考慮していません。

RAVEN 3
意外にもツールフリー機構が採用されているのは5.25インチベイのみ



ケージスタイル採用の5.25インチ排他3.5インチシャドウベイ

 3.5インチシャドウベイはマザーボードトレイ背面だけではない。「RAVEN 3」では、5.25インチベイ部にケージスタイルの3.5インチシャドウベイユニット2基が装備され、各ユニット3台、合計6台の3.5インチHDDが格納できる。さらにユニット前後には120mmファン増設用ブラケットも装着されており、直接HDDが冷却できるギミックも加えられた。
 このように「RAVEN 3」では、あらゆる場所を無駄にしない工夫が随所に見られ、まさに「ルールが“再定義”」されている事がわかる。

RAVEN 3
フロントベゼル3つを外すと、ケージスタイルの3.5インチシャドウベイを引き出す事ができる。なお固定は両サイドのネジ留め式で、ツールフリー機構は省略されている。なおHDDの直接冷却を行う場合は、フロント側120mmファン増設ブラケットのみが使用可能。リア側は取り外す必要がある
RAVEN 3 RAVEN 3
ケージは3.5インチHDD3段分。これが上下に2基格納されている事で、3.5インチHDDを合計6基搭載させる事ができる

■「RAVEN 3」について聞いてみた(その6)
 
 「RAVEN 2 Evolution」では、SATA 3.5インチHDDシャドウベイ部にホットスワップ機構が採用されている。頻繁にHDDの着脱を行わないというユーザーにとっても便利だが、「RAVEN 3」ではこれを省略されている。コストダウンの一環なのだろうか。

Q.ホットスワップ機構を採用しなかったその理由は?


A.メーカー(SilverStone)からの回答

 ハードディスク搭載可能台数を増やすことと(「RAVEN 3」では追加のマウンタなしで10台のHDDを搭載可能)、追加の120mmファンを5.25インチベイに搭載してエアフローを向上させられるようにするため、「RAVEN 3」ではホットスワップを採用しませんでした。



フロント下部に移動した電源ユニットスペースによるメリット

 新規に設計された内部構造。構成パーツを効率良く格納させるために、あらゆる工夫が凝らされているワケだが、電源ユニットについても大幅な変更が加えられている。
 「RAVEN 2」ではリア上部につり下げられるように搭載されていた電源ユニットが5.25インチベイ最下部に移動し、リア面をフラット化させている。これにより、奥行きを短くする事が可能となり、さらにリア排気ファンスペースも新設された。5.25インチベイも有効に使われている事から、さらに理想的な配置が実現したと言ってよいだろう。

RAVEN 3
5.25インチ最下部に移動した電源ユニット搭載スペース。レイアウトを変更させた事で、奥行きを短くすることに成功した

RAVEN 3 RAVEN 3
   
RAVEN 3 RAVEN 3
電源ユニット搭載スペース底面には、ファン用吸気孔が設けられ、マグネット固定式の防塵フィルターが装着されていた
電源ユニットの搭載は正面右側の開口部から作業を行う。これについては後述

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RAVEN 3
RV03
外形寸法
W235×H522×D570mm
重量
11.4kg
カラー
ブラック、サイドパネルウインドウ仕様
対応フォームファクター
SSI-EEB/SSI-CEB/E-ATX/ATX/MicroATX
素材
強化プラスチックケース、0.8mmスチールボディ
ドライブベイ
5.25インチ×7、3.5インチ×10(6台は5.25インチアダプタ使用)、2.5インチ×2
拡張スロット×8
ファン
底面吸気:180mm×2(AP181 700/1200rpm、18/34dBA(120mm×3互換)
上部排気:120mm×1(900rpm/18dBA)
前面:120mm×4ファンスロット
側面:120mm×1ファンスロット
背面:120mm×1ファンスロット
フロントI/Oポート
USB3.0×2、オーディオIn/Out
電源ユニット
別売り

製品情報(マスタードシード株式会社)
 
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