まずFuturemarkの「3DMark 11 Version 1.0.1」を使ってDirectX 11のパフォーマンスを見てみよう。
「GTX560 Ti 1GB PHANTOM」のオーバークロックはコアクロックが13MHz、メモリクロックが92MHzと小幅ながら、グラフィックスカードの性能が素直に反映される「3DMark 11 Version 1.0.1」では確実にスコアの上積みされている事が分かる。
|3DMark Vantage Build 1.0.2
次にDirectX 10世代の定番ベンチマーク「3DMark Vantage Build 1.0.2」の結果を見てみよう。こちらも「3DMark 11 Version 1.0.1」の結果と同様に1〜2%リファレンスより高いスコアとなった。
|LostPlanet2ベンチマーク
次に実際のゲームベンチマークとして「LostPlanet2ベンチマーク」を測定してみた。
解像度は1920×1080ドットと1280×720ドットの2パターンを計測し、それ以外はすべて初期設定のままとした。
結果を確認すると、1280×720ドットでは「GTX 560 Ti 定格」と「GTX560 Ti 1GB PHANTOM」でほとんど差はなかった。一方1920×1080ドットではグラフィックカードへの負荷が上がるためか2%程スコアが上昇しているが、実際のゲームでその違いを実感するのは難しいだろう。
|ファイナルファンタジーXIV オフィシャルベンチマーク
最後にDirect X9世代のゲームベンチマークとして、「FF XIVベンチマーク」でも測定を行った。
LOW設定では「GTX 560 Ti 定格」と「GTX560 Ti 1GB PHANTOM」のスコアが逆転しているが、これは測定誤差の範囲内。HIGH設定では約1%スコアが向上しているが、こちらも実際のゲームでは違いを感じることはできないだろう。ここまでの結果を見る限り、「GTX560 Ti 1GB PHANTOM」のオーバークロックの効果はおまけ程度に考えておいたほうがいいかもしれない。
結果を確認すると、高負荷時で最高77℃と予想よりも高めという印象。ただし、これによって直ちに「PHANTOMファン」の冷却性能が低いと断言することはできない。というのも、「GTX560 Ti 1GB PHANTOM」では高負荷時でもファンの回転数は50%(1700rpm前後)と大幅に低く抑えられており、かなりの静音向け設定となっているからだ。
実際に今回のテストではこのクラスの性能を誇るグラフィックカードとは思えないほど騒音値は低く感じる。これらの設定はメーカーの味付け次第。パッケージや製品紹介のスペックだけでは読みとれない部分と言えるだろう。
前述通り「GTX560 Ti 1GB PHANTOM」搭載ファンの回転数は、かなり静音向けの設定となっており、VGAクーラーとしての冷却能力はまだまだ余力が残されている。そこで、今回は「EXPERTOOL」を使ってファンの回転数を60%、70%および80%にした状態でもテストを行い、その性能を確認してみた。