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 Home > エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.72 SilverStoneの最高峰 TEMJIN「SST-TJ11B-W」検証
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騒音値、ケース内温度計測テスト実行

 ここからは実稼働による騒音値およびケース内部温度テストを実行してみたい。数々のギミック、そして規格外のスペックは通常のATX対応デスクトップPCケースに比べ、どの点が優れているのだろうか。
 まずはXL-ATX対応を活かし、まずはGIGABYTE「GA-X58A-UD9」(X58 Express)で各種測定を行ってみよう。テスト計測方法は以下通り。

●騒音値計測
 PCケース前面から30cmの位置で騒音値(アイドル時/高負荷時)を計測。計測には騒音計「TM-102」(国際規格IEC651 TYPE2適合)を使用。
●ケース内部温度
 PCケース内部の中心部にデジタル温度計のセンサーをぶら下げ、温度を計測(アイドル時/高負荷時)。なお、高負荷時の再現には「バイオハザード5」(DirectX 10)ベンチマークを使用。
●CPU温度計測
 アイドル時および高負荷時のコア温度を計測。ストレスツール「OCCT 3.1.0」高負荷時(30分経過)での状況をモニタ。コア温度計測には「HWMonitor Pro 1.17」を使用。
●グラフィックスカード温度計測
 「バイオハザード5」(DirectX 10)ベンチマークを実行し、「HWMonitor Pro 1.17」でGPU温度を計測。3回テストを行った内の平均値を採用している。
●Low/High設定
 中間部に位置する180mmファンのLow(700rpm)時とHigh(1200rpm)時それぞれを必要に応じて計測。


■Intel X58 Express環境下での騒音値・ケース内温度

テスト機材構成
CPU Intel「Core i7-920」
(2.66GHz/TDP130W/Bloomfield)
マザーボード GIGABYTE「GA-X58A-UD9」
(Intel X58 Express/ICH10R)
グラフィックスカード SAPPHIRE「SAPPHIRE HD6970 2G GDDR5」
(型番:21179-00-40R)
メモリ CORSAIR「CMZ12GX3M3A1600C9」
(DDR3-1600MHz/4GB×3枚)
HDD Western Digital「WD10EARS」
電源ユニット SilverStone「SST-ST1200-G」(1200W/80PLUS GOLD)
CPUクーラー Intel純正トップフロー型CPUクーラー(PWM)
OS Windows 7 Professional 64bit

TEMJIN
せっかくのXL-ATX対応PCケース。やはりMaxで使用したいと思うのは人情。さすがに収まりも良く、カッコイイ

 ■騒音値計測結果
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 騒音値はLow(700rpm)時で39.9dBA、High(1200rpm)時で44.2dBAとなった。180mm「Air Penetrator fan」(通称:徹甲弾ファン)は低速回転の場合、さほど音が気にならないものの、高回転時はある程度耳につく独特な音が出始める。ケース内部の特性も加わっているように感じるが、あまり聞いたことがない籠もり音は好き嫌いが明確にでる可能性があるだろう。


 ■ケース内温度計測結果
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 ケース内部温度計測については、注釈が必要。実はLow設定時とHigh設定時いずれも計測は行ったが、明確な違いが出なかった。よってここにはLow設定時での計測結果を掲載している。
 またアイドル時と高負荷時でもその差は僅かで、計測する度に違いが分からないほどに数値が接近する場合もあり、計測ポイントにも反省点があるものの、回転数による劇的な違いは期待しない方がよさそうだ。


 ■CPU温度計測結果(Low設定時)
test
 ■CPU温度計測結果(High設定時)
test

 CPU温度はアイドル時で1℃の違いは誤差の範囲内として、高負荷状況下のHigh設定時では5℃のアドバンテージが結果として表れた。リテールクーラーで60℃を切るコア温度は比較的優秀な値と言えるだろう。


 ■グラフィックスカード温度計測結果(Low設定時)
test
 ■グラフィックスカード温度計測結果(High設定時)
test

 実は最も期待していたのがグラフィックスカードのGPU温度結果だった。明確な違いは高負荷状況下に表れ、High設定時ではLow設定時に比べおよそ2℃ほど温度が低下している事が分かる。僅かながらでも180mmファンの回転数による恩恵は「有る」と言えるワケだ。


■Intel P67 Express環境下での騒音値・ケース内温度

 発売後1ヶ月持たずしてリコールに見舞われたIntel 6シリーズチップセット。とは言え該当のBステッピングのリビジョンが上がれば、Sandy Bridgeの出来映えからメインストリームに返り咲く事だろう。というわけで、Sandy BridgeとP67 Express環境でもテストを行ってみたい。
 テストに使用したのはASUSTeK「P8P67 DELUXE」(Bステッピング)だが、言うまでもなく今回のテスト項目ではリコール問題の影響が無いため、かまわず使用してみた。
 なおここではケース内温度とCPU温度のみを計測している。

TEMJIN

テスト機材構成
CPU Intel「Core i5-2500K」
(Sandy Bridge/LGA1155/3.30GHz/TDP95W)
マザーボード ASUSTeK「P8P67 DELUXE」
(Intel P67 Express)
グラフィックスカード SAPPHIRE「SAPPHIRE HD6970 2G GDDR5」
(型番:21179-00-40R)
メモリ CORSAIR「CMZ8GX3M2A1600C8」
8GB(4GB×2枚)PC3-12800(DDR3-1600MHz
HDD Western Digital「WD10EARS」
電源ユニット SilverStone「SST-ST1200-G」(1200W/80PLUS GOLD)
CPUクーラー Intel純正トップフロー型CPUクーラー(PWM)
OS Windows 7 Professional 64bit

 ■ケース内温度計測結果
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 システムを入れ替えた場合でのケース内温度は、X58 Express環境とさほど違いはなかった。これにより、LowとHighのケース内部温度差はでにくい事が裏付けられた。


 ■CPU温度計測結果(Low設定時)
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 ■CPU温度計測結果(High設定時)
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 CPU温度は「SST-TJ11B-W」の実力と言うよりも、SandyBridgeの長所が表れている。アイドル時はいずれも30℃を下回り、高負荷時でも65℃近辺で上下する。このPCケースが得意とするサイドフロー型CPUクーラーとの組み合わせならば、もっとよいスコアが出るだろう。リテールクーラーの結果がこの通りであれば、かなり期待しても良さそうだ。


決して技術評価用モデルではないアッパークラスPCケース

TEMJIN

 比較的高めの価格帯でも好調なセールスを上げているSilverStoneブランドのPCケース。その中でも最高峰となる「TEMJINシリーズ」最新作「SST-TJ11B-W」を数日間に渡ってテストを行った。
 このモデルが編集部に届く前の事。いつものようにスペックシートや製品紹介に目を通した段階では、どうしても完成度の高い「RAVENシリーズ」が思い起こされ、「“TEMJINの存在価値”をどのようにアピールするのだろうか?」という疑問がどうしても払拭できなかったが、実際に「SST-TJ11B-W」の細部をチェックして行くうちに、その答えがようやく分かった気がしている。

 正直に言えば、内部構造やPCケース全体のコンセプトは「RAVENシリーズ」(特に「RAVEN2」)とさほど大きな違いは見つけられない。しかしながら現在の自作業界にあって、これほどふんだんにアルミニウム素材を使い、7代目TEMJIN「SST-TJ07」を継承したコストのかかる一体成型フレームを採用する“豪華なPCケース”は希有な存在と言えよう。
 どこかに「違いの分かる云々、、、」というキャッチフレーズがあったが、まさに新型「TEMJIN」は、メーカーの開発陣が決して妥協しなかった(セールス度外視とも言い換えられる)“やりたいこと”を形にした「分かる人には分かる」PCケースではないだろうか。それは大量生産品では当たり前のリベットがほとんど使われておらず、ネジ留めで丁寧に作られている点でも明らかだ。

 さらに、選択肢の少ないXL-ATXマザーボードに対応し、4-Way SLIをも想定した2台搭載可能な電源ユニットスペースを確保。これを自作ユーザーの誰もが必要とするかと聞かれれば、答えはノーとなるかもしれない。だからと言って、どのメーカーも対応ケースを一切用意しないという状況では、あまりにもつまらない。
 少々下世話な考え方だが、SilverStoneは好調だからこそ、“少数派需要にも応えることが可能”と言えるのではないだろうか。決して技術評価用サンプルPCケースにとどまらない、まさにSilverStoneの底力がここに詰め込まれている。

 もちろんXL-ATXマザーボードや、デュアル電源ユニットなど初めから念頭に無いユーザーでも、「SST-TJ11B-W」をチョイスする事になんら問題はなく、高い冷却性能と拡張性によって、ユーザーのあらゆるリクエストに応えてくれるはずだ。また他に無い肉厚アルミニウム素材の質感や、独特の一体成型フレームは、価格に見合った所有感を満たすには十分過ぎるだろう。
 終始その大きさに圧倒された「SST-TJ11B-W」。長く付き合うPCケースとしては良い選択肢のひとつである事は間違いない。

協力:SilverStone Technology Co., LTD
http://www.silverstonetek.com/
マスタードシード株式会社(国内正規代理店)
http://www.mustardseed.co.jp/
© GDM Corporation All Rights Reserved
 
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TEMJIN
TEMJIN
外形寸法
W224×H642×D657mm
重量
17.4kg
カラー
ブラック、サイドパネルウインドウ仕様
対応フォームファクター
SSI-CEB、XL-ATX、ATX(最大13.6インチ×11インチ)、MicroATX
素材
二重構造アルミニウム一体成型フレーム(4.5mm厚、5mm厚)
その他ボディ:2mm厚アルミニウム
ドライブベイ
5.25インチ×9、3.5インチシャドウベイ×6(SATAホットスワップキット「SST-CP05」6個付属)、2.5インチシャドウベイ×3
拡張スロット
×9
ファン
上部:120mm×1 排気 900rpm 18dBA
中間部:180mm Air Penetrator fan(徹甲弾ファン)×2 吸気 2段階切り替え可能 700/1200rpm 18/34dBA
下部(ホットスワップベイ):120mm Air Penetrator fan(徹甲弾ファン)×2 吸気 1200rpm 19dBA
入出力ポート
USB3.0×2、USB2.0×2、オーディオIn/Out
電源ユニット
別売り(標準PS/2電源を2台、またはPS/2 miniリダンダント電源を1台搭載可能)
製品情報(マスタードシード株式会社)
製品情報(SilverStone)
 
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