|Intelが協力したSSDオンボードモデル開発秘話
編集部:
ここからは少し具体的な質問に入りたいと思います。Intel Z68世代のマザーボードですが、GIGABYTEではラインナップをP67から一気に切り替えました。言うまでもなく、他社はP67との併売ですが、その理由はなんでしょうか。
ビンセント氏:
Z68というチップセットは、簡単に言ってしまうと“H67 + P67”で、さらにIntel「Smart Response Technology」等が利用可能という優れた製品です。よって、Z68搭載マザーボードをローエンドからメインストリーム、ハイエンドまでフルラインナップとすることで、ユーザーのニーズに答えられると考えています。
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ショップのマザーボードコーナーを埋め尽くすGIGABYTE製品。店頭では非常に目立つ存在となっている |
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編集部:
それにしてもラインナップが少し多すぎるようにも感じます。実際に販売店では店員すらラインナップを把握しきれない、なんていう笑えない話もありますが。例えばボリュームゾーンまたは人気モデルは、どのあたりでしょうか。
ビンセント氏:
パフォーマンスを求めるなら「GA-Z68XP-UD3R」、少しコストを優先するなら「GA-Z68X-UD3H-B3」でしょうか。ラインナップが多いのはもちろん承知しています。とはいえ先ほどと重複しますが、ハイエンドからローエンドまでのあらゆるユーザーのニーズに答えられると思います。
編集部:
mSATAコネクターを搭載し、SSD(Intel製SLC NAND採用の20GB)をオンボードする「GA-Z68XP-UD3-iSSD」ですが、他社に先駆けたユニークなモデルですね。開発から発売へ至った経緯などを聞かせてください。
ビンセント氏:
PCのシステム全体を見た場合、CPUやメモリ、グラフィックスカードというカテゴリーの製品は、年々その速度が増していきます。ところがHDDについては、それほど進化の余地は残されていません。もちろん日本のユーザーのように、SATA3.0(6Gbps)のSSDを気軽に導入できればよいですが(笑)、まだまだコストの問題があります。そこで、せっかくSRTを簡単にセットアップできるシンプルなソフトウェア「EZ Smart Response」がある弊社ならば、面白い製品ができそうだと考えました。
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mSATAコネクターを搭載し、SSD(Intel製のSLC NAND採用の20GB)をオンボードする「GA-Z68XP-UD3-iSSD」。現時点では、他メーカーにはないユニークなコンセプトの製品である |
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編集部:
そこでSSDオンボードですか。Intelといえば数年前からマザーボード側にフラッシュメモリを搭載させるというコンセプトはありますよね。お世辞にも普及しているとは言い難いですが。それとの関連はあるのでしょうか。
ビンセント氏:
あります。このマザーボードを開発するにあたっては、Intel側の意向もかなり入っていると考えていただいても結構です。今回、SLCタイプのSSDを採用していますが、ご存知のようにIntelの製品です。マザーボードの発売にあたり、Intel側から特価で供給してもらったんです。
編集部:
それは面白い話ですね。なぜIntel製、しかもSLCタイプのSSDなのだろうかと思っていました。では次に、ゲーマー向けマザーボード「G1 Killer」シリーズについてお尋ねします。敢えて聞きますが、ASUSTeK「R.O.G.(Republic of Gamers)」シリーズを意識したということはあるのでしょうか。
ビンセント氏:
もともとは、GIGABYTE製マザーボードを使っているゲームユーザーは中国や韓国、ドイツに多くいます。そのゲームユーザー達の「ゲーマー専用のGIGABYTE製マザーボードが欲しい」というリクエストから作られたシリーズです。
このオーバークロック専用モデル「GA-X58A-OC」もそうですね。世界的に著名なオーバークロッカーであるHicookie氏が監修やデザインに携わっているモデルです。このような多数のセグメントを揃えることが重要だと思っています。
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世界的に著名なオーバークロッカーであるHicookie氏が監修やデザインに携わったオーバークロッキング専用のGIGABYTE製マザーボード「GA-X58A-OC」。手動でCPU動作倍率の上下や、BCLKの設定ができる「OC-Touch」ボタンを備える |
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編集部:
OC専用シリーズのZ68モデルは予定にないのでしょうか。
ビンセント氏:
公開できる情報という意味では、今はないです。
編集部:
では「COMPUTEX」で見た「GA-Z68-Gaming」。「G1-Killer」のZ68版ですが、こちらの国内投入はいつ頃でしょうか。
ビンセント氏:
7月末から8月にかけてを予定しています。
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この夏にはお目にかかれそうな「G1-Killer」シリーズの「Z68」モデル、「GA-Z68-Gaming」。シリーズの特徴であるBigfoot製のLANやマシンガンデザインのヒートシンクなどは同モデルでも健在だ |
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