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|「H685QNT1GD」ベンチマーク性能チェック
外観比較を終えたところで、性能比較のためのベンチマークを検証していく。今回用意したテスト環境は以下の通り。
テスト環境 |
CPU |
Intel Core i5 2500K (3.3GHz L3キャッシュ 6MB TDP95W) |
マザーボード |
ASRock 「B3 P67 Extreme6」 (Intel P67 B3 Stepping) |
メモリ |
UMAX 「UMAX Cetus DCDDR3-4GB-1333」 4GB DDR3-1333 |
システムHDD |
Seagate Barracuda 12 「ST3500413AS」 (500GB SATA6Gbps) |
電源ユニット |
AcBEL R88Power 「PC7063」 (700W) |
OS |
Windows 7 Ultimate 64bit SP1 |
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「RadeonHD6850」はネイティブでDirectX 11に対応したグラフィックスチップだ。そこでDirectX 11で動作するソフトウェアと、DirectX 9で動作するソフトウェア、それぞれに対応したベンチマークをチェックしていきたい。使用したドライバは「Catalyst 11.2」、DisplayDriverは「8.821」執筆時最新のバージョンをインストールした。
|「3DMark 11 Version 1.0.1」によるベンチマークテスト
まず始めは、DirectX 11世代で動作するベンチマークソフトウェア「3DMark 11 Version 1.0.1」。今回はベンチマークプリセット「Entry」、「Performance」、「Extreme」、をそれぞれテストした。その差はそれぞれ小幅で、コアクロックが45MHz、メモリクロックが400MHzオーバークロックの効果が現れている。
こちらは、DirectX 9世代の定番ベンチマークソフト「3DMark06 Build 1.2.0」。1280×720ピクセルの結果では約1%と殆ど違いはないが、1920×1200ピクセルの結果では約5%の違いが出た。
|「LostPlanet2ベンチマーク DirectX11Version」
ここからは実際にプレイできるゲームのベンチマークを測定していく。
「LostPlanet2ベンチマーク DirectX11Version」はDirectX 11で動作可能なゲームのベンチマークソフトウェアだ。ベンチマーク時の設定は、アンチエイリアスをoffにした上で、「DirectX 11 Feature」を「MIDDLE」に、その他のオプションはすべて「HIGH」に、テストタイプBを解像度別に2種類のパターンで検証を行っている。
その結果、1920×1080の高負荷時でおよそ2フレーム、1280×720低負荷時でおよそ3フレームほど差が出ている。
ベンチマークでは2〜3フレームの違いが、ゲームプレイで実際に体感できるかを筆者が持っている「LostPlanet2」の製品版で1時間ほどプレイしてみた。しかし残念なことに、プレイ中にオーバークロックによる恩恵を受けている感覚は得られなかった。
|「ファイナルファンタジーXIV オフィシャルベンチマーク」
「ファイナルファンタジーXIV オフィシャルベンチマーク」はDirectX 9動作で、「High」の場合画面解像度が1920×1080、「Low」の場合1280×720で動作する。「Low」では1%ほどの違いしかが見られなかったスコアが、「High」になると7%の差が出ていることを考えると、高解像度でプレイするユーザーには定格クロックより、オーバークロックモデルの方が、快適にプレイできるかもしれない。
|期待の進化版、「IceQ X」の冷却性能をチェックする
ここでは期待の進化版VGAクーラー「IceQ X」の性能をチェックしてみたい。今回は「GPU-Z 0.5.1」のログ機能を使用して、実際のゲームプレイを想定。「ファイナルファンタジーXIV オフィシャルベンチマーク」「Low」モードを2回ループさせ2周目が始まってからスコアが表示されるまでの値を、次にアイドリング時はPC起動後何もせずに5分間放置した値を、それぞれ算出した。
なお、室温は15℃で、ケースには組み込まないバラック状態にて動作させている。
驚かされるのが、アイドリング時のGPU温度の低さだろう。リファレンス仕様のものと比較して20%近くも低くなっている。
おそらくアイドリング時のファン回転数によるものと思われるが、これは「IceQ X」とリファレンスモデルとのファン形状の違いに関係してくるところかもしれない。
リファレンスモデルの外排気は、約80mm径のシロッコファンが空気を外側に送り、主に基板と平行して流れる風で冷却する。一方で「IceQ X」は92mm径のファンが大型放熱フィンに向かって垂直に風を当てる仕組みだ。進化した「IceQ X」はそのテスト結果から、冷却能力は依然高いとみてよいだろう。
さらに動作音についても「IceQ X」は非常に優秀だ。リファレンスモデルのシロッコファンは1200rpmを超えた辺りから、低くて大きい風切音を感じてしまうが、「IceQ X」は高負荷時とアイドル時のファン回転数が変動しにくいため、騒音値が高いとは感じにくい。
|「H685QNT1GD」消費電力も確認しておこう
システム全体の消費電力も確認しておこう。アイドル時、高負荷時は前述と同じ方法で算出した。
アイドル時は「AMD PowerPlay」の省電力機能が功を奏し、ほぼ同じ数値だが、高負荷時はさすがに11%増と、2TBハードディスクが一台動かせてしまいそうな数値だ。ピーク時は確実に負荷が掛かるので、ある程度出力に余裕のある電源ユニットを用意しておきたい。
|「IceQ X」はHISを牽引するVGAクーラーになれるのか?
HISの次世代“IceQ”、「IceQ X」クーラーの冷却性能はある程度優れている事が分かった。また静音性に関しても及第点以上で、テストを通じて五月蠅いと感じる事はなかった。今回はバラック状態でテストを行ったため、PCケースに閉じ込めてしまえばさらに静かに感じる事だろう。
性能面ではリファレンスの「HD 6850」と比較した場合、オーバークロックモデルとしてのアドバンテージは数値にもはっきり表れている。ただし、オーバークロックモデルはリファレンス仕様に比べ、2,000〜3,000円の差があり、もう少し頑張れば上位の「Radeon HD 6870」に手が届いてしまう。これは悩みどころだ。
リファレンスモデルに搭載される外排気型クーラーも性能が良くなっており、初代「IceQ」がリリースされた時のような“感動”は得られないだろう。とは言え、ビデオカード市場の覇権を取るほどではないものの、長時間ゲームをプレイするユーザーの選択肢としても、「IceQ X」はバランスの取れたクーラーと言って良いだろう。
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協力:恵安株式会社
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